ひとりごと

ひとりごとを綴りおくブログ

大腸がんのこと

 

20代中盤で大腸がんになった。

この経験が誰かの役に立てばいいと思い、綴ってみます。

 

 

思ってみればその兆しはあった。

お腹(盲腸らへん)に塊があった。

お腹を触ったら野球ボールぐらいの丸い何かがあった。

「何かあるなぁ」くらいで放っておいた。

 

急に熱が出始めた。

病院で解熱剤を処方してもらい、

朝仕事に行く前に解熱剤を飲んで夜また熱が出る、を1週間続けた。

元妻は里帰り出産のため向こうの実家に帰っていた。

 

さすがに職場の人達に促され病院へ行くと、

即日入院、翌日手術となった。

医者からは「若いから腫瘍は考えにくいけど触って分かるくらいだからすぐに切りましょう」と言われた。

出産予定日の近い元妻を呼ぶわけにはいかないので、入院する事実だけを伝え、

親に病院に来てもらうことにした。

お腹を開けたら癌だとすぐに分かったらしい。

親は医者に「息子(私)には子どもが生まれるまで伝えないで」

といったようだ。

 

検体を病理検査に出している。と言われていた。

ただ、思ってみれば、手術後検査が多かった。

 

手術して1週間で子どもが産まれた。

自分は病院だったが、元妻から連絡を貰い涙を流して喜んだのを覚えている。

 

その2,3日後、病理検査の結果、癌だったと伝えられた。

正直頭が真っ白になった。

大腸粘性癌であり、ステージはⅢa、近くのリンパ節には転移が見られたが、全て切除は完了しているとのこと。

ただし、今後再発のことを考えて化学療法を進められた。

 

元妻に話した。

「化学療法はしてほしいと思っている。ただ、あなたの判断に任せる」と言われた。

心は決まらなかった。

 

セカンドオピニオンを受けることにした。

「化学療法をしたからと言って、5年生存率が格段に上がるわけじゃない。だけど家族のことを考えるなら、そのわずかな可能性でもつぶしておいたほうがいい」と言われ、化学療法を受ける決心をした。

 

元妻と子どもが家に帰ってきた。

今思ってみれば、あの時期に子どもが産まれたからこそ、治療がそんなに辛くかったのだと思う。

ただ、それまで結構飲んでいた酒だけは、化学療法中絶つことにした。

 

そこからPET-CTを行い現状を確認したうえで、

FOLFOXという薬の投与を始めた。鎖骨の下あたりにポートを入れ、2週間に1回外来受診をして点滴をする。

点滴を刺すことだけは病院で行い、点滴を外すのは家ですることができる。2週間に1回半日だけ休みをもらい、あとは仕事に行った。

抜け毛の量が多くなったり、食欲がなくなったり、点滴をして2,3日は気持ち悪かったりしたが、なんとか半年乗り切った。

 

半年の点滴が終わると、残り5か月ぐらい経口薬となった。

当初はゼローダという薬を飲んだ。これが身体に合わなかったらしく、足の裏がガサガサになり、歩くのもつらかったので、ユーエフティ/ユーゼルという薬に変えてもらった。

薬を変えてもらうと、効果が本当にあるのかどうか疑わしいくらい、副作用はなかった。

経口薬を5か月飲み終え、経過観察となった。

この約1年で10kg痩せた。(ただその後2年ぐらいで元に戻ったけど)

 

3年くらいは半年に1回くらいCTと血液検査で、その後2年は1年に1回。

丸5年たった時には腸のカメラもやった。

結果、再発はしておらず、今では化学療法はやってよかったと思っている。

 

最後に1つだけ自分としてもタイミングが良かったと思っているのは、

子どもが産まれるということで、発病する3か月前に生命保険の額を上げていたこと。

3大疾病のため払い込みも免除になり、これだけは本当にタイミングが良かった。

 

以上が自分の経験ですが、当たり前ですが人それぞれなので、

こんな人もいるんだなぁと思ってもらえれば幸いです。